時々、真面目な顔して 「…なぁ〜に見てんだよ」 俺の顔に何か付いているか? アキラがじっと見つめているのに気付き、源泉は咥え煙草のまま小さく笑い軽くおどけた口調で尋ね、 アキラの頭を撫でた。 男らしい、骨ばった手が、青がかった黒髪をグシャグシャと掻き乱す。 「別に」 言葉少なにそう答え、すぐに視線をそらしたアキラは頭から源泉の手を引き離した。 源泉から見て取れる彼の横顔。 ほんのりと目元が朱に染まっているのはおそらく見間違いではない。 照れているのだ。 その証拠にアキラが纏うオーラには警戒の色は全くない。 「もしかして惚れ直した、とか?」 ニヤニヤとからかう様に笑いながらアキラの顔を覗き込む。 …と。 「痛っ」 間髪いれず、源泉の頭に平手が飛んできた。 「馬鹿……」 避ける事も叶わず、思い切り力を込めたスピードを受け止め顔を顰める源泉に先ほどより更に顔を紅くしたアキラが悪態を吐く。 耳まで赤くなっていると自覚できてしまう。 そんな自分が恥ずかしくて、顔を見せたくないのか背けたまま絶対に顔を合わせようとはしない。 「随分乱暴ですコト」 おぉ 痛い そんなアキラに気付いているのかいないのか。 分からないまま源泉は大げさに肩を竦めてよしよしと自分の頭を撫でた。 「オッサンが悪いんだろ」 ぶっきらぼうに付け足すも少し心配になってチラリと視線だけ源泉に向ける。 「ッ……」 すぐに源泉と視線がぶつかってアキラは反射的に目を逸らす。 無言のまま、時が過ぎていく。 それは長いようであり、短いようでもある。 時間の把握が出来ないくらい、アキラはペースを乱されていた。 「…こーしてると、普通のガキなのにな」 かっわい〜もんだ 紅くなっている頬を指で撫でながら源泉が小さく笑った。 天まで抜けるように突き抜けた笑いには裏や含みが無く。 不自然であるほどに自然だった。 「…ホント、可愛いよ。アキラは」 源泉はもう一度呟いてその逞しい腕でアキラを抱き締めた。 煙草のヤニの匂いが鼻梁を擽り、アキラは誤魔化すようにその広い胸元に顔を埋めた。 温もりと鼓動がアキラを包み込んでいく。 「オッサン」 顔を埋めたまま、アキラが源泉に話しかけた。 源泉は仕草だけで返事をし、次に来るアキラの言葉を静かに待っている。 「…好きだ」 「っ!!!???」 言った後に無性に恥ずかしくなって、源泉に顔を見られないようにさらに顔を埋めてしまったアキラは 気が付かないままだった。 源泉の顔も真っ赤になっていたことを。 「っ……知ってるよ」 そんな答えをした源泉の腕が僅かに強くアキラを抱き締めた。 真っ青な大空を見上げて。 FIN |
ハイ。源アキです。
ほのぼの〜〜〜!!(笑)
おぃちゃんの雰囲気が大好きです。 さり気なくピンチを掬って入れたりだとか してくれますからね。おぃちゃん大好き♪ ◆γуμ‐уд◇ |